社労士 渡邊のコラム
労働判例から①(いじめ パワハラ セクハラ)[東京横浜 社労士]2018年1月1日更新
◆補佐人制度による弁護士との連携
社労士は補佐人として、個別労働関係紛争に関する民事訴訟の場面や、労働社会保険に関する行政訴訟の場面で、弁護士とともに裁判所に出頭し、意見を陳述することができます。依頼者は、相談の段階から支援を受けてきた社労士が、補佐人として弁護士とともに訴訟の対応にあたることで、安心して訴訟による解決を選択することができるようになります。
◆判例による紛争解決の重要性
労働法の基本は労働基準法ですが、社会の変化により、現在の法令では対応できない紛争も発生します。また、労働法の解釈は抽象的であり、事案ごとに具体的な法解釈が必要です。そのため、判例によって労働事件の解決を図ることが重要になるのです。
◇いじめ・パワハラ
直接の加害者・使用者は、不法行為・債務不履行を理由に損害賠償責任を負います。
いじめにより労働者が自殺に至った事案では、会社が職場のいじめの予防・防止、被害者の精神的負担の軽減などを怠ったことを理由として、使用者の安全配慮義務違反による債務不履行責任が認められた裁判があります。
パワハラ事案としては、社会通念上相当な範囲を超えて合理的理由のない肉体的・精神的苦痛を伴う場合、報復・退職に追い込むためなどの不当な目的に基づく場合などが該当します。そのような行為が、使用者の裁量権の範囲を逸脱した違法な行為であると、裁判では判断されているのです。
◇セクハラ
加害者には不法行為責任が問われ、使用者には不法行為・債務不履行の損害賠償責任を負います。
相手側の意思に反して行われた行為であり、社会通年上許容される限度を超えた場合、その行為は違法となります。裁判では、行為様態・反復継続性・行為の目的時間場所・相手方に与えた不快感の程度・加害者と被害者の職務上の地位関係等を、総合的に考慮して判断します。
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