社労士 渡邊のコラム

検討留意事項③/心の健康問題休業労働者の職場復帰支援手引き13

メンタルヘルス対策相談(専門社会保険労務士・産業カウンセラー)

 

6その他職場復帰支援に関して検討・留意すべき事項

(4)職場復帰後における就業上の配慮等

ア 「まずは元の職場への復帰」の原則

職場復帰に関しては元の職場(休職が始まったときの職場)へ復帰させることが多い。これは、たとえより好ましい職場への配置転換や異動であったとしても、新しい環境への適応にはやはりある程度の時間と心理的負担を要するためであり、そこで生じた負担が疾患の再燃・再発に結びつく可能性が指摘されているからである。これらのことから、職場復帰に関しては「まずは元の職場への復帰」を原則とし、今後配置転換や異動が必要と思われる事例においても、まずは元の慣れた職場で、ある程度のペースがつかめるまで 業務負担を軽減しながら経過を観察し、その上で配置転換や異動を考慮した方がよい場合が多いと考えられる。 ただし、これはあくまでも原則であり、異動等を誘因として発症したケースにおいては、現在の新しい職場にうまく適応できなかった結果である可能 性が高いため、適応できていた以前の職場に戻すか、又は他の適応可能と思われる職場への異動を積極的に考慮した方がよい場合がある。
その他、職場要因と個人要因の不適合が生じている可能性がある場合、運転業務・高所作業等従事する業務に一定の危険を有する場合、元の職場環境等や同僚が大きく変わっている場合などにおいても、本人や職場、主治医等からも十分に情報を集め、総合的に判断しながら配置転換や異動の必要性を検討する必要がある。

イ 職場復帰後における就業上の配慮

数か月にわたって休業していた労働者に、いきなり発病前と同じ質、量の仕事を期待することには無理がある。また、うつ病などでは、回復過程にお いても状態に波があることも事実である。
このため、休業期間を短縮したり、円滑な職場復帰のためにも、職場復帰後の労働負荷を軽減し、段階的に元へ戻す等の配慮は重要な対策となる。これらの制度の採用に当たっては、あらかじめ衛生委員会等で審議する等により、ルールを定めておくことが望ましい。
なお、短時間勤務を採用する場合には、適切な生活リズムが整っていることが望ましいという観点からは、始業時間を遅らせるのではなく終業時間を早める方が望ましい。また、同僚に比べて過度に業務を軽減されることは逆にストレスを高めること等もあるので、負荷業務量等についての調整が必要である。ケースによっては、職場復帰の当初から、フレックスタイム制度な ど特段の措置はとらず、本来の勤務時間で就労するようにさせたりする方が、 良い結果をもたらすこともある。
このように、就業上の配慮の個々のケースへの適用に当たっては、どのような順序でどの項目を適用するかについて、主治医に相談するなどにより、慎重に検討するようにすることが望ましい。具体的な就業上の配慮の例として以下のようなものが考えられる。
・ 短時間勤務
・ 軽作業や定型業務への従事
・ 残業・深夜業務の禁止
・ 出張制限(顧客との交渉・トラブル処理などの出張、宿泊をともなう出張などの制限)
・ 交替勤務制限
・ 業務制限(危険作業、運転業務、高所作業、窓口業務、苦情処理業務等の禁止又は免除)
・ フレックスタイム制度の制限又は適用(ケースにより使い分ける。)
・ 転勤についての配慮

 

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