社労士 渡邊のコラム

検討留意事項④/心の健康問題休業労働者の職場復帰支援手引き14

メンタルヘルス対策相談(専門社会保険労務士・産業カウンセラー)

 

6その他職場復帰支援に関して検討・留意すべき事項④

(5)職場復帰に関する判定委員会(いわゆる復職判定委員会等)の設置

職場復帰に関する判定委員会(いわゆる復職判定委員会等)が設置されている場合、職場復帰支援の手続きを組織的に行える等の利点があるが、委員会決議についての責任の所在の明確化、迅速な委員会開催のための工夫、身体疾患における判定手続きと異なることについての問題点等について十分に検討しておく必要がある。

(6)職場復帰する労働者への心理的支援

疾病による休業は、多くの労働者にとって働くことについての自信を失わせる出来事である。必要以上に自信を失った状態での職場復帰は、当該労働者の健康及び就業能力の回復に好ましくない影響を与える可能性が高いため、休業開始から復職後に至るまで、適宜、周囲からの適切な心理的支援が大切となる。特に管理監督者は、労働者の焦りや不安に対して耳を傾け、健康の回復を優先するよう努め、何らかの問題が生じた場合には早めに相談するよう労働者に伝え、事業場内産業保健スタッフ等と相談しながら適切な支援を行っていく必要 かある。
管理監督者や労働者に対して、教育研修・情報提供を通じ、職場復帰支援への理解を高め、職場復帰を支援する体制をつくることが重要である。

(7)事業場外資源の活用等

職場復帰支援における専門的な助言や指導を必要とする場合には、それぞれの役割に応じた事業場外資源を活用することが望ましい。専門的な人材の確保が困難な場合等には、地域産業保健センター、都道府県産業保健推進センター、中央労働災害防止協会、労災病院勤労者メンタルヘルスセンター、精神保健福祉センター、保健所等の事業場外資源の支援を受ける等、その活用を図ること が有効である。
また、公的な事業場外資源による職場復帰支援サービスの例として、地域障害者職業センターが行う「職場復帰支援(リワーク支援)事業」があり、職場復帰後の事業場等への公的な支援の例として、リワーク支援終了後のフォローアップや「職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業」(障害者が職場に適応できるよう、障害者職業カウンセラーが策定した支援計画に基づきジョ ブコーチが職場に出向いて直接支援を行う事業)などがある。
その他、民間の医療機関やいわゆるEAP(Employee Assistance Program) 等が、有料で復職支援プログラム、リワークプログラム、デイケア等の名称で復職への支援を行うケースがある。ただし、これらの機関が提供するサービスの内容や目標は多様であり、それらが事業場で必要としている要件を十分に満たしているかについて、あらかじめ検討を行うことが望ましい。
また、状況によっては、事業者側から本人に、主治医の治療に関して他の医 師の意見を聴くこと(セカンド・オピニオン)を勧めることも考えられる。この場合は、セカンド・オピニオンは本人への治療方針の問題であることから、最終的には本人の意思に委ねるとともに、慎重に行うことが望ましい。
特に50人未満の小規模事業場では、事業場内に十分な人材が確保できない場合が多いことから、必要に応じ、地域産業保健センター、労災病院勤労者メンタルヘルスセンター等の事業場外資源を活用することが有効であり、衛生推進者又は安全衛生推進者は、事業場内の窓口としての役割を果たすよう努めることが必要となる。

 

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