社労士 渡邊のコラム

検討留意事項①/心の健康問題休業労働者の職場復帰支援手引き11

メンタルヘルス対策相談(専門社会保険労務士・産業カウンセラー)

 

6その他職場復帰支援に関して検討・留意すべき事項

(1)主治医との連携の仕方

主治医との連携に当たっては、事前に当該労働者への説明と同意を得ておく必要がある。
また、主治医に対し、事業場内産業保健スタッフ等や管理監督者それぞれの立場や役割、病気休業・試し出勤制度等・就業上の配慮などの職場復帰支援に関する事業場の規則、プライバシーに関する事項、事業場で本人に求められる業務の状況について十分な説明を行うことが必要である。また、事業者が把握している休業者・復職者の不安や悩み等について説明を行うことも望ましい。
その際、労働者本人の職場復帰を支援する立場を基本として必要な情報交換が行われるように努める。ここで必要な情報とは、職場復帰支援に関して職場で配慮すべき内容を中心とし、それに関係する者の理解を得るために必要とされる病態や機能に関する最小限の情報である。具体的な疾患名は、必ずしもこれに含まれない。状況によっては、主治医及び本人を含めた3者面談を行うことも考えられる。
特に産業医等は専門的な立場からより詳細な情報を収集できる立場にあるが、主治医とスムーズなコミュニケーションが図れるよう精神医学や心身医学に関する基礎的な知識を習得していることが必要となる。
また、「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」(様式例1)等を用いて主治医に情報提供を依頼する場合や、直接主治医との連絡や面会を行う場合、その費用負担についても、事前に主治医との間で取り決めておく必要がある。

(2)職場復帰可否の判断基準

職場復帰可否について定型的な判断基準を示すことは困難であり、個々のケースに応じて総合的な判断を行わなければならない。労働者の業務遂行能力が職場復帰時には未だ病前のレベルまでは完全に改善していないことも考慮した上で、職場の受け入れ制度や態勢と組み合わせながら判断する。
職場復帰判断基準の例として、労働者が職場復帰に対して十分な意欲を示し、通勤時間帯に一人で安全に通勤ができること、会社が設定している勤務日に勤務時間の就労が継続して可能であること、業務に必要な作業(読書、コンピュ ータ作業、軽度の運動等)をこなすことができること、作業等による疲労が翌日までに十分回復していること等の他、適切な睡眠覚醒リズムが整っていること、昼間の眠気がないこと、業務遂行に必要な注意力・集中力が回復している こと等が挙げられよう。
次項に掲げる試し出勤制度等が整備されている場合や、事業場外の職場復帰支援サービス等が利用可能な場合には、これらを利用することにより、より実際的な判断が可能となることが多い。
ただし、疾病のり患を理由に休職した労働者の職場復帰の可否に関しては、さまざまな判例が出されている。このため、トラブルを防止するためにも、法律の専門家等と相談し、適切な対応を図ることが求められる。なお、これらの判例の中には、労働者と職種を限定した雇用契約を結んでいる場合と、職種を限定しない契約を結んでいる場合とで、異なった判断をしているものがある。

 

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