社労士 渡邊のコラム

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◆摂食障害とは/障害年金申請社労士 精神疾患相談

摂食障害の概念

単なる食欲や食行動の異常ではなく、1)体重に対する過度のこだわりがあること、2)自己評価への体重・体形の過剰な影響が存在する、といった心理的要因に基づく食行動の重篤な障害です。摂食障害は大きく分けて、神経性食欲不振症(AN;神経性無食欲症、神経性食思不振症、思春期やせ症)と神経性過食症(BN;神経性大食症)に分類されます。ANには不食を徹底する「制限型」、あるいはむちゃ食いをともなってもそれに対する排出行為で代償しながら低体重を維持している「むちゃ食い/排出型」があります。一方、BNにはむちゃ食いを繰り返しながらも体重増加を防ぐために種々の不適切な代償行為をともなっていますが、ANと違ってやせに至らないことが特徴です。そのどちらにも明確に分類されない摂食障害(例:むちゃ食い障害)は、特定不能の摂食障害(EDNOS)と呼ばれています。世界保健機関(World Health Organization:WHO)が策定するICD-10診断基準では、摂食障害は「生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群」のひとつに分類されており、身体的要因と精神的要因が相互に密接に関連して形成された食行動の異常と考えられます。

摂食障害の歴史

歴史的にみると、ANについて初めて医学的記載がなされたのは、1600年代後半です。神経性消耗”a Nervous Consumption”としての記述が見られますが、病名にANという名称が初めて用いられたのは、1873年にパリ・ピティエ病院のLasegue 医師とロンドン・ガイ病院医師のGull卿によってです。それまで古代~中世の西欧においては、キリスト教文化圏の中で食事の制限(断食)は自己犠牲や身体的欲求の抑制といった「禁欲主義的理想」として捉えられていました。文献によると聖人(シスター)の中に禁欲生活を送り、厳格な食事制限から命を落としたケースの記述も認められますので、これらのケースは身体像に密接に関係した[自己の理想像の追求]という点ではANの概念に一致するといえるでしょう。又時にほかのシスターによって目撃された”むちゃ食い”は、当時は「悪魔の仕業」としてとらえられていました。従って、過食症状の記述は散見されるものの明確な疾病概念としてはとらえられていませんでした。
1970年代に入り、英国のRussellはANの種々の類型を報告した中で、本症の中心的精神病理の変化を反映した一群の症例を報告しました。それは、1)繰り返される過食、2)嘔吐もしくは下剤の乱用、3)肥満に対する病的恐怖の三つによって特徴付けられるANの予後不良型に位置づけられるものです。これにより、それまで曖昧であったBNの明確な疾患概念へと発展し、アメリカ精神医学会の診断マニュアルであるDSMに取り入れられました。
ここで問題となるのは、このように西欧を中心に展開されてきた摂食障害に対する概念が、わが国の患者像にそのまま当てはまるかということです。わが国ならびに香港における質問紙調査によると、制限型のAN患者においては“やせ願望”や“体重や体形への不満”は健常人と程度に差がなく、西欧とは異なっています。果たして、DSMを中心とする操作的診断基準によって「摂食障害」とされている疾患概念は、単一の疾患単位として当てはめることができるのか。これは今後の課題です。

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