社労士 渡邊のコラム

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◆労働基準法の概要(解雇・退職)

使用者から労働者に対して雇用契約の終了を申し入れるのを「解雇」といい、労働者から使用者に対して申し入れるのを「退職」といいます。

○解雇のルール

解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となります。

この解雇に関するルールは一般に「解雇権濫用法理」と呼ばれ、昭和50年の最高裁判決以降実務上で確立されたものですが、平成15年の労働基準法改正により明記されました。

また、会社の経営不振等を理由とする労働者の「整理解雇」については、裁判例においていわゆる整理解雇の四要件が示されたものがあります。

★整理解雇の四要件(原則として四要件すべてを満たす必要があります。)
(1)経営上の必要性
  倒産寸前に追い込まれているなど、整理解雇をしなければならないほどの経営上の必要性が客観的に認められること。
(2)解雇回避の努力
  配置転換、出向、希望退職の募集、賃金の引き下げその他、整理解雇を回避するために、会社が最大限の努力を尽くしたこと。
(3)人選の合理性
  勤続年数や年齢など解雇の対象者を選定する基準が合理的で、かつ、基準に沿った運用が行われていること。
(4)労使間での協議
  整理解雇の必要性やその時期、方法、規模、人選の基準などについて、労働者側と十分に協議をし、納得を得るための努力を尽くしていること。

○解雇制限について

1 労働者が業務上の負傷や病気になった場合に、その療養のために休業する期間及びその後30日間と、産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は解雇できません。ただし、使用者が労働基準法第81条の規定によって打切補償を支払った場合や、天災事変などやむを得ない理由により事業の継続ができなくなった場合はこの限りではありません。

2 天災事変その他やむを得ない事由による解雇については、その事由について所轄の労働基準監督署長の認定を受けなければなりません。

○解雇の予告

労働者を解雇しようとする場合は、少なくとも30日以上前に予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。

なお、以下の場合においては、解雇予告が除外されます。

(1)天災事変その他やむを得ない事由により事業の継続が不可能となり、所轄の労働基準監督署長の認定を受けたとき。→ 例:火災による焼失、地震による倒壊など

(2)労働者の責に帰すべき事由によって解雇するときで、所轄の労働基準監督署長の認定を受けたとき。
→ 例:横領・傷害、2週間以上の無断欠勤など

なお、この認定は、労働者に対して解雇の意思表示をする前に受けておくのが原則です。

(3)日々雇い入れられる者。ただし、一ヶ月を超えて引き続き使用されている場合には、解雇予告または解雇予告手当の支払いが必要となります。

(4)2か月以内の期間を定めて使用される者。または季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者。ただし、契約期間を超えて引き続き使用されている場合には、解雇予告または解雇予告手当の支払いが必要となります。

(5)試の使用期間中の者。ただし、試の使用期間を設けることを予め労働者に明示しておく必要があります。さらに、14日を超えて引き続き使用されている場合には、解雇予告または解雇予告手当の支払いが必要となります。

○解雇理由の証明

解雇の予告がされた日から退職の日までの間に、労働者が当該解雇の理由について証明書を請求したときは、使用者は遅滞なくこれを交付しなければなりません。

ただし、解雇の予告がされた日以降に、労働者が当該解雇以外の事由により退職したときは、使用者はその労働者の退職日以降、上記の証明書を交付する必要はありません。

○退職時の証明

労働者が退職の場合に、在職中の契約内容などについて証明書の交付を請求したときは、使用者は遅滞なくこれを交付しなければなりません。なお、労働者の請求しない事項を記入してはいけません。

○金品の返還

労働者の死亡または退職の場合で、権利者の請求があった場合には、請求を受けた日から7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければなりません。

ここで言う賃金とは、労働協約や就業規則などであらかじめ支給条件が定められている退職金も含みます。但し、退職金の支払時期については、あからじめ定められた支払時期で良い、とされています。

なお、賃金または金品に関して争いがある場合には、異議のない部分をその期間中に支払い、または返還しなければなりません。

ここで言う権利者とは、退職の場合は本人、死亡の場合は相続人をいい、金銭貸借関係にある債権者は含みません。なお、請求者が権利者であるかどうか疑わしい場合には、戸籍謄本などにより権利者であることを証明してもらうことが大切です。不注意で権利者でない者に支払った場合に、正当な権利者から請求があったときは二重の支払いをしなければならないことになります。

また、法定相続人は一人とは限りません。むしろ、民法の分割相続の原則から二人以上の場合のほうが多く見られますので、委任状のない相続人に支払った場合は後で困難な問題が起こることもありますので、注意が必要です。

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