社労士 渡邊のコラム

がん労働者の対応①/治療と職業生活の両立支援ガイドライン

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がんの種類や進行度が同じであっても、がん治療や治療に伴う症状等は労働者によって様々であり、両立支援に当たっては、特に個別性に配慮した対応が必要とされる。

(1)がん治療の特徴を踏まえた対応

治療や経過観察は長期にわたるとともに、治療に伴い予期せぬ副作用等が出現し、治療の内容やスケジュールの見直しがなされることがある等のことから、経過によって就業上の措置や治療への配慮の内容を変更する必要があることに留意が必要である。

労働者は、就業上の措置及び治療に対する配慮の検討・実施とフォローアップを受けることが出来るよう以下の点に留意して、事業者に対して必要な情報を提供することが望ましい。

ア 手術

・手術を受ける場合には、労働者が主治医に対して入院期間、手術後に出やすい合併症や制限すべき動作などについて確認し、必要に応じてそれらの情報を事業者に提供することが望ましい。これらの情報は、手術を行う前に得ることが可能であり、職場復帰までのおおよその期間を見積もることができる。

・ただし、手術後の経過や合併症などには個人差があり、実際の状況は手術前と異なる可能性もあるため、合併症や制限すべき動作、療養が必要な期間等について、労働者が主治医に対して退院時等に再度確認し、必要に応じてそれらの情報を事業者に提供することが望ましい。

イ  化学療法(抗がん剤治療)

・化学療法(抗がん剤治療)を受ける場合には、労働者が主治医に対して入院の要否や治療期間、出やすい副作用及びその内容・程度について確認し、必要に応じてそれらの情報を事業者に提供することが望ましい。化学療法(抗がん剤治療)では、治療を1〜2週間程度の周期で行うため、その副作用によって周期的に体調の変化を認めることがあり、とりわけ倦怠感や免疫力が低下する状態が問題となるが、薬剤の種類や組み合わせごとに、いつごろどのような症状が現れやすいか推測可能である。

・化学療法(抗がん剤治療)を受けながら就労継続する場合は、労働者が主治医に対して出やすい副作用及びその内容・程度、治療スケジュールの変更の有無などを必要に応じて確認し、それらの情報を事業者に提供することが望ましい。

ウ 放射線治療

・通院しながら放射線治療を受ける場合、基本的に毎日(月〜金、数週間)照射を受けることが多いため、労働者が主治医に対して治療スケジュールを確認し、必要に応じてそれらの情報を事業者に提供することが望ましい。

・治療中は、頻回の通院による疲労に加えて治療による倦怠感等が出現することがあるが、症状の程度には個人差が大きいため、労働者から事業者に対してあらかじめその旨を伝達するとともに、事業者は、労働者から体調が悪い旨の申出があった場合は柔軟に対応することが望ましい。

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